5132014/04/25(金)23:47:37 ID:KucV3OqTC
話しても特に支障はないネタなのでたまにはどんなマンガだったかを詳しく話そう

5142014/04/25(金)23:48:14 ID:
やったぜ

5152014/04/25(金)23:52:05 ID:KucV3OqTC
主人公は進級したばかりの中学3年生
そろそろ受験する高校を決めなければいけない時期だ
周りがどんどん進路を決める中、主人公はいつまでもうだうだ結論を先延ばしにしていた

5162014/04/25(金)23:54:14 ID:KucV3OqTC
だが主人公は高校を決める必要はなくなった
交通事故であっさりタヒんでしまったのだ

5172014/04/25(金)23:58:36 ID:
ふむ

5192014/04/26(土)00:01:19 ID:yBv0ovBFo
思えば何もない人生だった
何かに打ち込む訳でもなくダラダラした時間がすぎていくだけ
いや、何かを成し遂げないだけじゃない
面倒事があればその場しのぎその場しのぎの言い訳で先延ばし先延ばし、
結局最後まで自分の行く高校すら決められなかった

5202014/04/26(土)00:07:49 ID:yBv0ovBFo
目を覚ます主人公
あたりは一面の草原
そばには幼女
彼女いわくここは天国らしい
どうやら主人公は本当にタヒんでしまったようだ

5212014/04/26(土)00:10:37 ID:yBv0ovBFo
すると背後から唸り声
振り返ると怪物
怪物達は本能の赴くままに襲いかかってきた

5222014/04/26(土)00:14:17 ID:yBv0ovBFo
これを見た幼女が1冊の本を取り出す
本を開くとそこからビームが
本を使って怪物に応戦する幼女
ただただ腰を抜かすだけの主人公

5232014/04/26(土)00:24:20 ID:yBv0ovBFo
幼女の力は下界での人生経験が能力となったものだった
下界での一生とは天国で生き抜く術を得る為のものだったのだ

5242014/04/26(土)00:28:09 ID:yBv0ovBFo
だが徐々に追い詰められる主人公と幼女
幼女は主人公に問いかける
「私の力は下界での本への思いが発現したもの、あなたにも自分だけの力があるはず」
だが主人公は自分の一生にそんな大層なものは思い当たらなかった

5252014/04/26(土)00:30:52 ID:yBv0ovBFo
そうこうしているウチに更に状況は悪くなっていく
絶対絶命のピンチ
だが幼女の本のビームを推進力に二人は間一髪怪物の攻撃をかわす

5272014/04/26(土)00:34:47 ID:yBv0ovBFo
しかし幼女はそのビームで右足を失ってしまう
「熱線で助かりました……、止血の心配がありません」
強がる幼女を見て自分に絶望する主人公
これは自分が下界で下らない人生を送ってきたせいだ

5282014/04/26(土)00:39:15 ID:yBv0ovBFo
「その通り」
怪物にまでそれを指摘される主人公
「お前なんか無視してガキ一人なら逃げられただろうに」
「下界だけじゃなく天国でも最低の人生だったなwお前は」

5292014/04/26(土)00:40:56 ID:yBv0ovBFo
「違います」
これに幼女はブチ切れた
だが怒りの矛先は怪物ではなく主人公だ

「下らない人生なんてない」

5322014/04/26(土)00:44:55 ID:
主人公の力は逃げ足か

5332014/04/26(土)00:45:57 ID:yBv0ovBFo
「何の為か分からない今の先にも必ず未来は待っている」
「全ての人には自分を愛する義務がある」
「自信がもてなくたって構わない、他人に何を言われたって気にしなければいい」

這いつくばりながら主人公の胸ぐらを掴む幼女

「でも」

5342014/04/26(土)00:47:45 ID:yBv0ovBFo
「取り消しなさい
自分で自分の人生をけなすのは許さない」

「あなたが愛さなければ
その人生は本当に意味のないものになってしまう」

5352014/04/26(土)00:49:51 ID:
なんか嫌な展開になりそうな悪寒

5362014/04/26(土)00:52:51 ID:yBv0ovBFo
愛せるのか?あんな人生を

努力しなくてすむように
面倒な事はさけて
楽な道を選んで
決めなきゃいけない事しなきゃいけない事を全部先送りにして
嫌な事から逃げて逃げて逃げて
ずっと
その場しのぎで生きてきたんだぞ?

……それでも
愛してもいいのか?

5372014/04/26(土)00:54:45 ID:yBv0ovBFo
主人公を光が包む
主人公の背中には羽
幼女を抱えて逃げる
だがすぐに追いつかれてしまう

5382014/04/26(土)00:59:02 ID:yBv0ovBFo
だがそれも全て計算の内
旋回して幼女の本のビーム
この位置なら全ての敵が射線上に入る
だが敵の親玉の金属の体はビームをはじいてしまう

5392014/04/26(土)01:02:56 ID:yBv0ovBFo
だがそれも計算のウチだ
射線上にいた巨大な怪物がビームの衝撃で親玉もろとも湖に倒れこむ
本のビームは熱線
親玉は巨大な怪物が着ていた鎧に溶接されてしまう

5402014/04/26(土)01:04:22 ID:yBv0ovBFo
そう主人公の力は“その場しのぎ”
現状だけでも切り抜ける道を探し出す能力だった

5412014/04/26(土)01:05:38 ID:
万能じゃん

5422014/04/26(土)01:06:53 ID:
その場しのぎ……その発想は無かった。

5432014/04/26(土)01:08:58 ID:yBv0ovBFo
危機を乗り越え
改めて自己紹介をする2人
主人公は幼女とともに彼女の足を直せる能力者を探す旅に出る事にした

おしまい

5442014/04/26(土)01:09:39 ID:
面白いな

5462014/04/26(土)01:10:38 ID:
何にせよ詳しく内容聞けるのはいいね

5482014/04/26(土)01:11:54 ID:yBv0ovBFo
長えよw
勢いで書き始めたから途中から内容完全に忘れてたし直したいとこタヒぬほどあったし晒すんじゃなかったw

5502014/04/26(土)01:16:36 ID:yBv0ovBFo
とまあこんなネームが完成する頃
前回賞にだした現代ものの能力バトルの結果が載る号が発売された
俺もついにデビューだぜ

そう思って雑誌を開く俺

5532014/04/26(土)01:22:02 ID:yBv0ovBFo
受賞

だが一つ上の賞なだけだった
デビューするにはもう一つ上の賞をとらなければならない

まだデビューできないのか……
今回は嬉しさより悔しさの方が大きかった

5542014/04/26(土)01:25:01 ID:yBv0ovBFo
そして発表から少しして
また編集部から電話がかかってくる

だがどういう事なのか
担当ではない別の編集なのだ

5552014/04/26(土)01:29:19 ID:yBv0ovBFo
しかもこれからはその別の編集が担当するという
困惑する俺
当然その事を質問する
それに対する答えに俺は更に困惑する事になる

「ああ、アイツ会社やめたから」

5582014/04/26(土)01:38:58 ID:yBv0ovBFo
今日はここまで!

晒した話に言い訳はしない
あの頃は真剣に描いたネームなのだ
まあこれに対する今後の展開がいくらかは物差しにもなるだろう

年表は調べたら初めて受賞したのが2009年の頭だった
俺も日記つけてた訳じゃないから時間経過はホントなんとなくの記憶で書いてる
ただ秋葉原の事件の話したのはハッキリ覚えてるからそのあたりと当時の雑誌が残ってる受賞した作品の周辺は正確なはず

5612014/04/26(土)01:50:39 ID:
受賞するだけでもすげぇよ

5702014/04/26(土)09:19:47 ID:
この1
最高にカッコイイ

5712014/04/26(土)09:23:24 ID:NdfvCDj8o
おいおいドーテーに惚れるなよ

5722014/04/26(土)09:28:51 ID:NdfvCDj8o
新たな担当と初顔合わせの打ち合わせの約束をして電話を切った俺
どうやら現代ものの能力バトルが出来た際に連絡した時には既に前の担当は会社をやめていたようだ
これで原作の話は完全になくなった事になる

5732014/04/26(土)09:33:51 ID:NdfvCDj8o
まあ気にする事はない
一人でも世界を制す事が出来るのがマンガじゃないか
ひれ伏せ人類
俺は打ち合わせのまでの間もまた勉強を続けた

5752014/04/26(土)09:39:15 ID:NdfvCDj8o
ところで読んでくれている人は覚えているだろうか?
前の担当との打ち合わせに向かう頃の事を書いた時、俺が「この打ち合わせが俺のマンガ人生において大きな転機となる」という風呂敷を広げた事を

5762014/04/26(土)09:44:01 ID:NdfvCDj8o
作画とも編集とも別れ原作の話が完全に消滅したのに何が転機なのか
それはこの原作の話をもらった時に始めた脚本の勉強だ

5772014/04/26(土)09:51:04 ID:NdfvCDj8o
俺はこの時に出会った1冊の本の中である話作りの練習法を見つける
なんかステマっぽい語り口になってきたので本のタイトルは書かないwまあ確か絶版だったから書いても関係ないんだが
とにかくその話作りの練習こそ俺のマンガ人生の大きな転機だったのだ
これは10年後、現在の俺がマンガ人生でもっとも役にたったと思う練習となる

5782014/04/26(土)09:56:10 ID:NdfvCDj8o
この頃の俺はその練習の1本目に取りかかろうとしていた
俺は最終的にこの誰に見せるでもない、ただ上手くなる為のネームをキッカリ50本書く事になるのだが
それが終わるのはまだ少し先の話だ

5792014/04/26(土)09:59:03 ID:NdfvCDj8o
だが何度も言うがこっちが勉強を終えるまでなど世界は待ってくれないのだ

新担当との打ち合わせ当日

前回晒した話にジャッジが下される事になる

5822014/04/26(土)10:31:30 ID:NdfvCDj8o
描いたマンガが全て
まさにその通りだと思うぞ

超個人的な考えだが俺は作品毎にペンネームも変えるべきだと思ってる
その作者の他のマンガなんかそのマンガとは関係ないだろう
過去作がどんだけ売れたってまた1から読者が自然に手にとるまでの力のある作品を作れよ!と

まあ作者がそうしたくても売れたあとはそうはさせてくんないんだろうけどねー
世の中って難しい

5832014/04/26(土)10:32:26 ID:
PNは一緒でいいでしょ
ちな1さんはすでにプロなの?

5852014/04/26(土)10:41:55 ID:NdfvCDj8o
うん
まあこれは極論だって分かってるw俺が常々そうありたいって思ってるからつい書いちゃったw
俺も読者としては冨樫先生や島本先生がどっかでペンネーム変えて連載初めてたら見つけるの苦労するから困る、超困る

現在の俺がどうなってるかは最後な

5932014/04/26(土)12:09:35 ID:
スレ伸ばすのうまいね

6032014/04/27(日)08:58:11 ID:eZi8fHn5k
新担当との打ち合わせ
早速前回のネームを見せる

「うーん、パッとしないなあ」

6042014/04/27(日)09:00:52 ID:eZi8fHn5k
「受賞したのはキャラ生き生きしてたけどこれはつまんない」

「設定も話も別に惹かれる所ないし」

「これはダメだね」

6062014/04/27(日)09:05:33 ID:eZi8fHn5k
あっさりネームをボツにされた俺
まあ次のネーム作って送って、あと絵は重点的にやる様にと言われる
新担当は早稲田だか慶応だかの出なのが売りらしくその辺の雑談をしてその日はお開きになった

6072014/04/27(日)09:12:12 ID:eZi8fHn5k
前担当には原作の話まで持ってきてもらった男のネームがこの評価は情けない
家に帰った俺は天下をとれるネームを考え始めた

6082014/04/27(日)09:17:43 ID:eZi8fHn5k
真っ先に頭をよぎるのは「いいですね」のネタだ
だが何故か今はこのネタに手をつける気にはならなかった
当時の担当に言われた「連載まで取っておこう」が頭に残っていたのかもしれない
確かに連載までこのネタは晒さずに読者を驚かせたいという気持ちはあった

6092014/04/27(日)09:19:26 ID:eZi8fHn5k
ここでふと考える
「いいですね」のネタはどこが良かったのか?

6102014/04/27(日)09:25:11 ID:
読者を驚かせたいからネタを温存する。
固定のファンがいないのに、そうしてしまう気持ちわかるな

6112014/04/27(日)09:25:45 ID:eZi8fHn5k
思いついたのは
視覚的な華爽快感、美しい画面作りが容易な世界感
そして小難しい説明がなくても画面を見れば伝わる不自由さ、ジレンマだった
「いいですね」のネタは晒してないから伝わりづらいだろうがここはど
うしようもない
すまん

6122014/04/27(日)09:28:25 ID:eZi8fHn5k
そして近未来アクションは視覚的な華はあったのに何故「いいですね」程魅力を感じなかったのか
これは「不自由さ、ジレンマ」が足りなかったのだという事に辿り着く

6132014/04/27(日)09:38:11 ID:eZi8fHn5k
ならばそこも意識して作ればいいのだ
この「不自由さ、ジレンマ」から考えて真っ先に思いついたもの、それを視覚的な華が出来る様にするにはSFな世界感がよさそうだ
打倒スターウォーズ!
しかもここまで表面的に違うものになれば「いいですね」と同じ理屈で作られてるとは言われなければ気付かないだろう
七人の侍からスターウォーズが出来たようなものだ
打倒黒澤明!

6142014/04/27(日)09:43:15 ID:eZi8fHn5k
こうして俺は打倒スターウォーズのネームを完成させジャバ・ザ・ハット似の新担当にFAXをした

すぐにジャバから電話が来る
「このネタでデビューしよう」

6152014/04/27(日)09:44:09 ID:
キターーーー!!!!!!

6162014/04/27(日)09:44:41 ID:eZi8fHn5k
遠い昔、遥か銀河の彼方までつづく!

6172014/04/27(日)09:45:32 ID:
つづく!ー

6622014/04/29(火)08:33:46 ID:R1ODj9BJB
早速打倒スターウォーズのネームを詰める為打ち合わせに挑む俺
だがジャバ編集はドラマの甘さが気になっているようだった

6632014/04/29(火)08:52:31 ID:R1ODj9BJB
いくつか指摘を受けそれを直しまた打ち合わせ
これを何度か繰り返すがジャバはなかなかOKを出さなかった
というのもジャバの指摘は設定の見せ方やコマ割などに終始していて
肝心のジャバ自体が引っかかっているドラマについてのものが皆無だったのだ

しかし会議の日が迫っているにも関わらずジャバには余裕があった
俺は何度目かの打ち合わせでのジャバの言葉でその驚くべき理由に気付く事になる

6642014/04/29(火)08:54:20 ID:R1ODj9BJB
「まあ設定はいいんだからさ、話はどっかから持ってきちゃえばいいから」




……は?

6652014/04/29(火)08:57:15 ID:R1ODj9BJB
「だからさ、面白い話なんか考えて思いつくもんじゃないんだから
よそから持ってきちゃえばいいんだよ」

6662014/04/29(火)09:00:40 ID:
これは…

6672014/04/29(火)09:06:44 ID:R1ODj9BJB
俺は悔しくてたまらなくなった

今まで話作りに取り組んできた時間全てを否定されたような気持ちになったのだ
先人たちが物語に費やしてきた時間全てまで否定されたような気持ちになったのだ

俺は悔しくてたまらなかった

6682014/04/29(火)09:09:51 ID:R1ODj9BJB
ごめん少ないけど時間
当時の事思いだすと上手く文章が組み立てられなかった

6692014/04/29(火)09:14:56 ID:
どいひー

6702014/04/29(火)09:26:00 ID:
これはクズ編

6712014/04/29(火)09:40:34 ID:
大人の世界怖い

7282014/05/03(土)12:59:22 ID:s8vRsgcbH
頭にきた俺はジャバの言葉は無視して自分一人でこのネームを完成させる事にした

感情移入を阻害しているものは?ーンとシーンの繋がり、噛み合い
まだまだ勉強の途中ではあったが脚本の勉強で学んでいる事をなんとか生かそうとしてみた

7302014/05/03(土)13:10:10 ID:s8vRsgcbH
そして更に何度目かの打ち合わせで

ジャバ「ふーん、上手くまとめたねー」

黙れ
お前は話作りに意見する資格はない
俺は急いでこのネームを会議に出せる様に清書した
ジャバに清書を送ったのは会議まで1週間を切ってからだった

7312014/05/03(土)13:11:22 ID:s8vRsgcbH
しかしこの清書を見たジャバからの電話でとうとう俺はブチ切れた

7322014/05/03(土)13:14:13 ID:s8vRsgcbH
「思ったんだけどこのマンガって○○に似てるよねー?これ構図とかキャラ絵も○○みたいにしてくんない?……言ってる意味分かるよね?」

7332014/05/03(土)13:16:42 ID:
本当にこんな言い方したなら阿呆だな
パクらせるにしても作家のモチベ下げるような言い方するのは無能

7452014/05/03(土)14:10:47 ID:s8vRsgcbH
>>733
前にも言ったけどこの頃の事思いだすと今でも胸くそ悪くなってただ感情吐きちらかすだけになっちゃいそうだからなんとか読めるように抜き出してまとめたけど正直こんなもんじゃなかった

7342014/05/03(土)13:24:36 ID:s8vRsgcbH
俺はとうとうブチ切れた
こいつの姿勢は真面目にもの作りをしている全ての人間をバカにしている
俺はもう1秒たりともこいつと関わりたくない
そう思うと次の行動を起こすのになんの迷いも感じなかった

7352014/05/03(土)13:26:54 ID:
おしっ
やったれ!>>1

7362014/05/03(土)13:34:56 ID:s8vRsgcbH
俺は会議を目前にして完成していたネームを捨て、この出版社を去る事にした
今思い返してもよく出来たネームだったが
今思い返してみてもこの行動は間違っていなかったと思う
2度の受賞歴を捨てる事にもなるがやはりなんの未練もなかった

7372014/05/03(土)13:39:38 ID:
え?
担当交代じゃなくて移籍なのか。

7402014/05/03(土)13:56:49 ID:s8vRsgcbH
会議当日までジャバからは嵐の様に着信やメールが来たが当然全て無視して俺は次のマンガに取り組んだ
辿り着いたのはファンタジー、打倒スターウォーズのネタには少し劣るが悪くない出来だ
前回の反省も踏まえて今回はいろんな出版社を回ろう
そんな事を考えながら原稿は仕上がった

同時進行の模写は計150枚ほど、話の練習のネームは20本ほど進んだ頃だった
もう俺もデビューしていい頃だろう

この頃ちょうど進撃の1巻が発売された
自分より若い作家だが俺の闘志は純粋に燃えた
ジャバに対するドス黒い怒りの炎とは真逆の心の高ぶりだ
この人と勝負出来るマンガ家になりたい! 

7412014/05/03(土)14:02:14 ID:s8vRsgcbH
待っていろ諫山創!
こうして俺の持ち込み回りが始まった

夏の日差しは俺の心を映すように燃え上がっていた

7432014/05/03(土)14:05:09 ID:
> 待っていろ諫山創!
わろたwwwwww

7422014/05/03(土)14:04:55 ID:
>>1はその担当に不満がある事は伝えたのか?
急に切って意図が伝わらないってのも。

7502014/05/03(土)14:31:19 ID:s8vRsgcbH
>>742
俺がこいつとの打ち合わせは詳しくかかなかったからアレなんだけど
「ここを直して欲しい」ってレベルじゃないんだ
もの作りにおける全ての考え方の根っこが「ウケてるのをなんかテキトーに持ってくる」の奴だったんだ

タヒななきゃ治らないってああいう奴の事言うんだと思う

7512014/05/03(土)14:32:53 ID:
なるほど
それじゃあ>>1の方で「そういうのやめて下さい」って言う気も起きなかった感じなのかな?

7522014/05/03(土)14:44:24 ID:QY4nMI4y0
うん
言ったとしたら「編集やめて下さい」かな

7592014/05/03(土)22:29:15 ID:
面白くなってきた

7602014/05/03(土)22:59:54 ID:
漫画男
映 画 化 決 定

7712014/05/06(火)00:13:58 ID:
漫画家だってある意味職人だもんな
自分の仕事に誇りを持ってる>>1はかっこいいと思うぜ

7782014/05/06(火)08:14:58 ID:yNVpTiiwc
持ち込み回り1社目、当時本命にしていた雑誌
ここでは2人の編集に対応された

「いい感じですね」
先に口を開いたのはベテランと思われる方だ
「話は形になってるし絵も描けてる、何より世界観がいい」
新人の方もほぼ同じ意見のようだった
それから数十分、細かい部分を誉められ続けた
特に悪い事は言われなかった気がするが原稿は渡さずに帰ってきた
まず1社目だ

7792014/05/06(火)08:29:42 ID:yNVpTiiwc
2社目

「形になってるけど絵がなあ」

ここでは逆に改善点の指摘を受け続けた

「話と世界観はいいけど絵がね」

「特にウチはそういう雑誌だから」

「キャラの配置もね、この子にツッコミさせるならこの配置だと弱いんだよね」

「まあでも特に絵だよ絵、多分これ賞に出したら下の賞はとれるだろうけど、その先行くには絵を頑張んないと、ウチでは」

「絵だね」

やはりまだまだ絵は弱いようだ
原稿を預ける気がないと伝えるとコピーさせてと言われ2社目の持ち込みは終わった


7812014/05/06(火)08:44:03 ID:yNVpTiiwc
3社目

「いいです」

「ページ数聞いてちょっと嫌な予感してたけど(48P)全然よかった」

「話もまとまってるし、絵も描けてる、キャラもかわいいし。世界観が特にいいかな」

「ただ敵にもっとインパクトあった方がいいね、これだと女々しく見えちゃう」

「アシ経験は?ないの?あると思った……。え!?専門も行ってないの!?全部自己流!?」

「でもよかったです。ページ数はもっと少ない方がよかったけどw」

割と誉められ、話もあった。
余談だがこの編集も進撃には衝撃を受けていた


7822014/05/06(火)08:45:46 ID:yNVpTiiwc
これで予定していた雑誌は全て回った
この中から1社を選ばなければならない

7842014/05/06(火)08:51:37 ID:
世界観は好評なんだな

7852014/05/06(火)08:59:20 ID:
進撃はとにかく世界観が全てで、それをあの絵のまま連載させたマガジンに素人ながらびっくりした。

7862014/05/06(火)09:04:15 ID:yNVpTiiwc
>>785
1巻のラストがあそこなのが売り方としてクソ上手かったと思う

8012014/05/08(木)07:35:24 ID:paSu19qWE
正直どの出版社も一長一短に感じた俺は結局当時本命だった1社目に行く事にした

そして同時にこの頃
俺の作風に変化が訪れていた
それまでベタなアクション漫画ばかり描いていた俺だが全く別のあるジャンルを描きたくなったのだ

8022014/05/08(木)07:39:59 ID:
わくわく

8032014/05/08(木)07:41:09 ID:paSu19qWE
俺はその全くアクションのないマンガのネームを完成させ持ち込みを見た編集に連絡をとる

「設定もキャラもいいですし、大筋もいいです」

8042014/05/08(木)07:47:27 ID:paSu19qWE
「ただラスト、これ演出はいいんですけど今までの設定と矛盾してますよね?」

1人で作っていた時は気付かなかった部分だがそれは作品の根っこに絡む致命的な矛盾だった
俺は1ヶ月ほど編集とこの矛盾と格闘するが、この矛盾は解消出来ず結局このネームはボツになった

8052014/05/08(木)07:51:15 ID:paSu19qWE
その時編集に提案される
「やっぱりアクションやりませんか?」
新たなジャンルに苦戦していた俺は心変わりも甚だしくあっさりその提案に乗った

8062014/05/08(木)08:01:27 ID:paSu19qWE
早速アクションのネタを考えるがなかなかピンとくるモノが浮かばなかった俺は前の出版社で原作として出した近未来アクションを引っ張り出して再構築する事にした
が、設定だけは同じだがキャラも話も全く別物、何よりキャラの立ち位置を真逆にしてみる
悪人が主人公だ
これは1番最初に持ち込みをした泥棒マンガ以来の事だった
しかも今度はあの時の何百倍も根っから悪い奴が主人公だ

8072014/05/08(木)08:06:02 ID:paSu19qWE
悪人マンガのネームを完成させ編集にみせる俺

「うん、直して会議出しましょう」

今回のネームは特に大きな指摘もされなかった
そして数回の直しを経てこのネームを完成させた俺はそのネームを編集に渡し、掲載会議の結果を待つ事になる

8082014/05/08(木)08:08:08 ID:paSu19qWE
つづく
正直このあたりはなんか記憶が薄いw
10年前の方がハッキリ覚えてる、おかしなもんだな

8122014/05/08(木)08:09:59 ID:
これまたいい所で引きやがってwww
でも忙しい中乙!
次回も待ってるぞ!

8202014/05/08(木)22:48:29 ID:UL3LvcjMm
会議に出したネームは上から直しを食らった
一番の問題点はドラマとしてのピークとアクションのピークが別れてしまっている事
俺と編集は1月ほどかけ指摘された部分を直し再度会議に回す
だがこの直したネームは意外な理由でボツになる

8222014/05/08(木)22:52:26 ID:UL3LvcjMm
この1ヶ月の間に編集長が変わったのだ
そして雑誌の方向性.変わる

いわゆる萌え雑誌である
大幅な雑誌のテコ入れの時期
当然悪人マンガなど通る訳もない

8232014/05/08(木)22:55:11 ID:UL3LvcjMm
俺は担当に説得されいくつかの萌えマンガのネームを描いた
別に嫌いなジャンルではない
だがなかなか担当のお眼鏡にかなうものは出来なかった

8242014/05/08(木)23:01:55 ID:UL3LvcjMm
だが意外にも俺はこの萌えマンガ製作の中で一つの強烈なネタに辿り着く

あざとい
あざとすぎる
だがしかしよく出来ている
よく出来ているのだ

ここまで心踊らされるネタは「いいですね」以来だ

俺はノリノリでこのネームに取りかかった

しかしこの頃かかってきた1本の電話が
またも俺の運命を大きく揺さぶる事になる

8252014/05/08(木)23:06:42 ID:UL3LvcjMm
「今何してるの?」
それは持ち込み回りで3番目に行った雑誌の編集からだった
半年振りの会話
一通り近況を聞いた後
編集が口を開く

「俺とマンガ作りませんか」

8272014/05/08(木)23:09:51 ID:UL3LvcjMm
急な編集長の変更で萌えマンガ縛りになった今の雑誌
別に電話が来た雑誌でも萌えマンガは描けるのだ
俺はそう迷わなかった

8282014/05/08(木)23:20:23 ID:UL3LvcjMm
この頃何度か話に出てきた話作りの練習の為のネームは50本に達していた
つまり一通りのプログラムを完了したのだ

俺は新たな雑誌に会心の萌えマンガの他にもう1本ネームを持っていく事にする
1度は挫折した新ジャンルにもう1度挑むのだ

8292014/05/08(木)23:21:42 ID:UL3LvcjMm
今の俺なら凄いものが描ける気がする
俺は新ジャンルのネームを1から作り直す

8302014/05/08(木)23:27:06 ID:UL3LvcjMm
やはり話作りの練習はしっかり身になっていた
完了する前から薄々感じていたが
これを始める前の自分とは明らかにストーリーテリングのレベルがちがう
例えるなら以前の俺は泥水から手探りで拾いあげた石をなんとか積み重ねて家を作っていた
だがこの頃から必要なパーツを的確に加工してはめ込める様になっていたのだ

8312014/05/08(木)23:33:46 ID:
その漫画読みたい

8322014/05/08(木)23:34:56 ID:UL3LvcjMm
そして出来上がった新ジャンルのネーム

恥ずかしげもなく言おう

俺はその物語をとても美しいと思った

8332014/05/08(木)23:35:21 ID:
そうやって眠った名作もあるんだろうな

8342014/05/08(木)23:37:15 ID:UL3LvcjMm
こうして俺は2本の自信作を引っさげ
新たな雑誌での打ち合わせに向かう

10年前の物語ももうすぐ現代に追いつこうとしている

8362014/05/08(木)23:41:13 ID:
この一度挫折した新ジャンルってのは全くアクションのないマンガってのと同じジャンルか?

8382014/05/08(木)23:43:24 ID:UL3LvcjMm
>>836
うん
同じなのはジャンルだけで全然別のネタだったけどね

8392014/05/08(木)23:44:32 ID:
この時点で現在に追いつこうとしているって事は>>1はデビューしたてって事か?

8462014/05/08(木)23:55:52 ID:
気になる事多すぎで悶々する

8532014/05/10(土)07:16:36 ID:
どの雑誌だー

8562014/05/10(土)09:25:56 ID:hIxxXv41r
誘ってくれた編集との1回目の打ち合わせ
まずは改心の萌えマンガを見せる
「あざといねーwww」
「男の心掴むわこりゃ、展開も上手いしいいと思う」
狙い通りやはりこのネタは上手く機能したようだ

8582014/05/10(土)09:31:39 ID:hIxxXv41r
そして新ジャンルの美しいネームだ
「……面白かったです、ちょっともう1回読みます」

「……!ここのシーンってコレの事か」

「……よく出来てんな」

「うん、やっぱりよく出来てる」

8592014/05/10(土)09:35:01 ID:hIxxXv41r
編集もこのネームの完成度を認めてくれた
やはり話作りの練習は身になっていたのだ

さて問題は
どちらを描くかだ

8602014/05/10(土)09:39:47 ID:hIxxXv41r
「こっちをやろう」
編集は新ジャンルのネームを推した
「正直萌えマンガは絵が上手くないと売れない、それにこのネタは連載までとっておいた方がいいと思う」
「まずこっちで賞とろう」

8612014/05/10(土)09:43:49 ID:hIxxXv41r
この時俺は本格的に新ジャンルにシフトする決意を固めた
軽い直しを終え帰宅
早速原稿にとりかかる

8622014/05/10(土)09:48:36 ID:hIxxXv41r
正直俺は自分で描くようになるまでは受け手としてこのジャンルが苦手だった
だが結果として苦手だった事が描く側になった時にプラスに働いていた
ジャンル書いてないから分かりにくいだろうが

そして俺は完成した原稿を担当に渡し、結果を待った

9112014/05/14(水)08:33:26 ID:eZ2WazpvE
賞に出した新ジャンルの結果を待つ俺に担当からち電話が来る

受賞
だがまたもデビュー出来る賞の一つしたの賞だった

9122014/05/14(水)08:36:26 ID:eZ2WazpvE
これには正直落ち込んだ
あれだけ自信があった話だ、その出来は担当も認めていた
それでもまだデビュー出来ない

そしてその原因はやはり絵だった

9132014/05/14(水)08:41:41 ID:eZ2WazpvE
会議でも話は高い評価をもらった様だがやはり絵が足を引っ張った

だが落ち込んでばかりもいられない
だったらやる事は一つだ
俺は更に絵を勉強した
解剖学に手を出し始めたのもこの頃かもしれない

9142014/05/14(水)08:44:53 ID:eZ2WazpvE
そして俺はもう一度新ジャンルの別のマンガを賞に出した
前回ほどの手応えはなかったがネームの出来も悪くない
しかも絵のレベルも上がっている

9152014/05/14(水)08:48:06 ID:eZ2WazpvE
だが結果はやはりデビュー出来る賞の一つ下の賞

受賞したというのに担当の第一声も
「言いにくいんですが……」だった

9162014/05/14(水)08:53:50 ID:eZ2WazpvE
正直この時はもう
やっぱりか……
という感じだった
やはり絵は短期間でレベルが何段階も上がるものではない

しかし上手くなっているのも確かだ
まだまだ天井は見えてない
やればやるだけ効果はある筈だ

9172014/05/14(水)08:58:16 ID:eZ2WazpvE
そうして絵を鍛えている頃
またも俺は一つの大きなネタに出会う
それは新ジャンルの視点を変えたものだった
そしてそれは今まで描いてきたものが大きなプラスになっている

9182014/05/14(水)09:00:59 ID:eZ2WazpvE
何より感じたのはそのネタの圧倒的な凄みだった

俺は震えた
これは売れる

そのネタの勢いは俺を更にマンガに駆り立てた

9192014/05/14(水)09:03:12 ID:eZ2WazpvE
完成したネームを担当に見せる

「凄い」

絶賛
そして担当もこのマンガの勢いに呑まれていた

9202014/05/14(水)09:06:30 ID:eZ2WazpvE
俺は担当にそのマンガを大きな賞に出す事を進められ原稿にする
そして断言する

この原稿はそれまでの俺のマンガ人生で一番魂のこもった原稿となった

9212014/05/14(水)09:06:38 ID:
どんなジャンルなのか気になるな。
学園、恋愛、探偵とかどの組み合わせか大まかでいいから教えて欲しい

9222014/05/14(水)09:09:05 ID:eZ2WazpvE
担当もこの原稿にあ驚いていた
「これなら絵にも文句は言わせない」
「単純な画力はまだ足りないかもしれないが迫力で負ける頃はないと思う」

9232014/05/14(水)09:12:14 ID:eZ2WazpvE
そうして俺はその賞の結果を待った

その頃の俺の頭の中には
そのネタの連載の
最終回までの構成まで出来上がっていた

9242014/05/14(水)09:12:57 ID:eZ2WazpvE
つづく

ちょっと時間やべーw

9252014/05/14(水)09:35:00 ID:
乙!
続き気になるけどとりあえず仕事頑張れ!

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